身の毛もよだつホラー体験
言わせてくれ!
宿しすぎ。
宿りすぎ。
やー、帰ってきた。
地元に帰ってきた。
やっぱり地元はいいなー!つって。
みんな元気してっかなー!つって。
ワクワクしながらバス乗り込むじゃん?で偶然地元の子と遭遇すんじゃん?「えぇーー?うっそ今日かえんのー!?ここ空いてるよー!一緒帰ろうよー!」つって。
もう完全に地元なの。バス出発前なのに。もう心に地元の風吹いてんの。バス出発前なのに。
んで乗り込む前に買ったじゃがりこをね、友達が隣りに座った瞬間意気揚々と左手にスタンバって、
いつぶりだっけー?
最後に会ったの5月とかじゃーん?
うっそまじもうそんな経つかー!
なんて微笑ましい会話をね、交えたわけだ。
さぁではここで問題!
(ダダン!)
Q.しばらくぶりに会った友達との会話のなかで楽しい空気を一変させる一言はなんでしょう!
1.「で、どう?」
2.「で、どう?」
3.「で、どう?」
はい。
や〜、この言葉さ〜、もしかして魔力とか秘めちゃったりしてない?じつは言霊界最強とかじゃない?
なに。これ。
「(いままで話した一連の流れはすべて前置きなん)で、どう(よ最近なにやってんの)?」
これですよね。
いやなんかね、もう申し訳なくなっちゃて。
友達は近況報告とか最近のおもしろいこととかをいろいろと教えてくれてね、じゃがりごボリッボリ言わせながらお互いケラッケラ笑っていたんだけどね、この言葉が出た瞬間とりあえず指についた塩ふいたよね。
とりあえず提供できることがなにひとつ無い。
ネタというダムが永遠に枯渇してる。
「アッ、ハハハハハハ、あ、なんだろ〜ハハハハハハハハハ、ん〜なにしてたんだろ〜、アッハハハ、いや〜〜ハハッ、ハハハハハハ」
(んで、くるよ。)
(アレがくる。)
「でさ、聞いた?」
はいこれ!
これ!「でさ、聞いた?」←これ!
「でさ、聞いた?」
この言葉の返しの速さ、0コンマの世界に私はすべてを悟った。
おそらく、
「(いままで話した一連の流れはすべて前置きなん)で、どう(よ最近なにやってんの)?」
は軽いジャブ。
「(いまから結構なネタ放り込むけど、)で、どう(準備できてる)?」
こっちだ。
ラスボスこっちだ。
(てっきり話しをふられてるとばかり!)
そんで、私だいたい連絡って途切れがちだから、聞いた?って聞かれたあとに続く早耳トレンドニュースって9.95割聞いてないわけ。友達もそれを知ってか駒井千佳子ばりの表情と声のトーンでニュース読んでくれるわけ。
で、わぁ!なんだなんだ!と。どんな新しいことがあったのか!と。お得意の野次馬心剥き出しで目キラキラさせながら「なになに〜^^?」つって。
「産まれたらしいよ。」
????なにが??たまご?
「2ヶ月だって」
ん??たまご?熟成?
「男の子だって」
オス?
「名前は◯◯君だって」
えーー!すごーーーい!たまごに名前つけてんのーーー?それ食べれなくねーー?そんなに好きなら食べれなくねーーーー?
赤子だった。
赤子が誕生してた。
それもね、6家族できてた。
怖い。
いや、誕生したことは本当に喜ばしいことだし、垂れ幕とか作りたいし、祝い金とか包ませてほしいし、ラッパとか吹いてパレードとかしたいし、このご時世だから防犯ブザーとかプレゼントしたい。本当にすくすくと育つことを心から願ってる。
でもね、怖い。
尊い命が宿りすぎ。
ちょっと前まではやれ誰と誰がくっついた、やれ誰が誰にロックオンした、やれ誰が彼とのペアリングを失くした、って話しをね、してた。
それなのに
それなのに
それなのに
乳飲み子とな…………
だからもうね、後半にかけて「で、どう?」っつう攻撃力200守備力180のラスボスが現れたときなんざこっちももう慣れてきちゃってて。
くっついたか宿ったか!さぁどっち!つって。
みのもんたか私なとこあった。
とりあえずあれだ。季節は私を忘れすぎなとこあっから。拾い忘れすぎなとこあっから。
このあいだだってやっとこさ外出て服買いにいったのに、秋服が我が物顔でそこに居たから。夏服とか40%OFF!ってとこに追いやられてたから。
うん。
きっと私は季節に置いてかれないようにもっと活動範囲広めるところからはじめないといけないんだと思う。
がんばろ〜
いろいろがんばろ〜
ボルトにスタートダッシュ教わろ〜
でもね、久しぶりに会った友達に言われた
「そういえばあんた仁君もう好きじゃないの?」
って言葉がいちばん怖かったな
私赤西仁君好きだったらしいよ。